こんにちは。もとやんです。
この間起業を計画している人と話していたら経理の話が出たので、これを機会に『Excel(エクセル)経理術』をお話しようかと思います。それでは今回の目次はこちら。
ターゲット&目的
ターゲットは複式簿記で家計簿(お小遣い帳)を付けたいサラリーマン・学生、フリーランス、もしくは極小規模の法人です。簿記3級程度の知識を想定しています。
3級程度の知識ならぶっちゃけ頭に入れるだけなら1週間要らないです。私は大学時代に通学時に3日間ほど電車の中で参考書と問題集読んでざっくり覚えました。下記の記事などをどうぞ。
独学で効率よく簿記三&二級に合格するための僕の方法
簿記2,3級を独学で同時に3週間で受かる方法
まぁぶっちゃけここまでやらなくても、本記事の対象ぐらいであれば、参考書を2,3回軽く読むだけで十分だと思いますが・・。
今回の目標は、仕訳帳と残高試算表を作ることです。
損益計算書や貸借対照表はぶっちゃけ残高試算表が出来ればザクザク転記して終わりなんですが、自動で作るとなると出力の罫線などのレイアウトが面倒くさいので、ここまでにしておきます。希望があれば続編やります。
会計ソフトのメリット
さて、多分こっちのほうがメジャーな選択だとは思うのですが、いわゆる会計ソフト(電気屋さんのパソコンソフトコーナーにおいてあるようなやつ)のメリットってなんでしょうか。
それは以下の様なところだと思います
- 自分で工夫しなくてもとりあえず買って来れば使える
- 法人税や消費税の計算もしてくれる(毎年最新版にアップデートしていれば)
- 申告表を出力できたりする(毎年最新版にアップデートしていれば)
- 勘定科目などのマスターデータに予めありがちなテンプレートが入っている
Excel(エクセル)簿記のメリット
- 大体のPCにすでにインストール済み(OfficeならPersonalでもExcelは入っている)
- 操作方法を新しく覚えなくていい
- 他ソフトでの読み込み(データコンバート)が出来る場合が多い
- グラフ化したり解析したりするのに便利
などの点が挙げられます。
勘定科目表の作り方
勘定科目は、自分が使用する範囲の勘定科目をある程度厳選して、勘定科目表(勘定科目マスタ)を作っておくのが便利です。
1行目は見出しにするとして、「種別」「勘定科目名」「摘要」あたりを作っておけば大丈夫です。
ここのコツは、「勘定科目」は補助科目(例えば銀行預金ではなく、○○銀行レベル)で勘定科目を作っておき、後から合算する場合はその合算用の名前(例えば銀行預金)を作ることです。まぁ、列の左右の話なのでどうとでもなるのですが、Excelでいじる場合こう考えたほうが良いと思うので。
仕訳帳の作り方
次は仕訳帳です。ここが一番肝心です。というかこれが過不足なく出来れば後は何とかなります。仕訳帳シートを追加してください。
作って置かなければならない項目名は「日付」「借方勘定科目」「金額」「貸方勘定科目」「金額」「摘要」です。私は更に経費を誰かが立替した際に、後から仕訳帳を見て精算するので「立替者」という項目を足してあります。
勘定科目表を先に作ったのは、ココでデータ入力規則を設定するためです。後から集計するためには、勘定科目名は一貫している必要があるので、勘定科目は選択式にします。
データ入力規則を選びます。
「$B$2:$C$31」のところが、勘定科目名を並べた範囲です。入力規則をコピーしても座標がズレないように絶対指定しておいてください。
また、企業というか経理担当者によっては「日付」のところも要検討です。私は割とまとめて記帳するので、入力時点では日付は前後したデータが並ぶのですが、後から日付でソートをかけています。この時同じ日付の仕訳は、どっちが先でどっちがあとになるかがExcel任せになってしまいます。
私は同日中の仕訳の順序は前後しても良い(気にしない)と決めているので、これでOKですが、ここを気にする人は、並べたい順番で最初から記入するか、もしくは並び替え用の項目を足してください。「仕訳ID」とかですが、例えば「2013年6月1日」に発生した仕訳処理に「20130601-001」「20130601-002」などと日付とは別に連番になるIDを振っていけば後から並び替え可能です。私は面倒くさいのでしていません。
また、借方と貸方の金額は「貸借一致の原則」で一致するので、貸方の金額には「=C3」とか書いてあります。売上を三分法ではなく分記法で書きたい方は要修正ですが、よっぽど高単価商品で、少数取引でもない限りそんな人はいないでしょう。
残高試算表の作り方
勘定科目表の各項目について、仕訳帳を合計するだけです。勘定科目の種類によって負の値が出ますが、絶対値があっていればチェックは問題ないので放置です。
こんなかんじです。A列に勘定科目表の勘定科目名をコピペして貼り付けてあります。
この科目名に従って、貸方と借方の金額を集計すればOKです。これには「SUMIF」という関数を使います。
使い方はスクリーンショットのとおりですが、一応下記のようになっています。
=SUMIF('2013年度仕訳帳'!$B$3:$B$121,'2013年度残高表'!A6,'2013年度仕訳帳'!$C$3:$C$121)
「$B$3:$B$121」の範囲で「A6」に該当する物があれば、「$C$3:$C$121」の値を合計します。
これを借方と、貸方両方について実施し、残高は「借方-貸方」としておけば、とりあえず数値チェックまではできます。
ダウンロード
今回作成したExcelブックファイルは、以下からダウンロード出来ます。
が、自分で作る方をおすすめします。その方が内部の仕組みが頭に入るので。
ぶっちゃけ今回私は必要にかられてテンプレートを作りましたが、テンプレート自体の作成時間は考えている時間を含めても30分かかったかどうかです。
最後に
Excelでつける簡単仕訳はいかがでしたでしょうか。とりあえず個人事業でもなんでも、ちょっくらお金をきちんとしようと思うと避けて通れないのが仕訳と経理です。
会計ソフトを買うにしたってそこまでしっかり使うかどうかわからないし。そもそもつかいかたわかるかどうか・・。
みたいな人にとって、とりあえずExcelで記録はつけておくか。ガッツリ管理しないといけなくなったら会計ソフト買うなり、税理士さんに相談しよう。という選択はアリだと私は思っています。
また、一応Excelとは言っていますが、非常に基本的な関数しか使っていないので「Googleドキュメントのスプレッドシート」だろうが「OpenOffice.org」だろうが「LibreOffice」だろうが「Gnumeric」だろうが読み替えは容易と思います。と言うか殆どの場合そのまま動くんじゃないでしょうか。
なお、ちょっとちゃんとしたフリーの会計ソフトということであれば、税金計算はできませんが「Gnu Cash」というものがありますので、興味のある方はどうぞ。
でわでわ。
コメント
ありがとうございます。
仕訳帳と残高試算表はできました。
元帳も作りたいのですが、簡単な方法があれば教えていただけますか、宜しくお願いします。
残高試算表と仕訳表の作成に大変参考にさせていただきました。目的はビジネスゲームでの決算のためで、不慣れなものですが、sumifと入力規則のリストなどエクセルの使用方法なども勉強になりました。
ありがとうございました。