こんにちは。もとやんです。
今日のテーマは上司に「ちょっと法務局行ってきて」と、言われたスタッフのための、法人登記の仕方と、法務局の歩き方ガイドです。
Case1.「ちょっと謄本取ってきて」
1番よくあるパターンです。会社の登記簿謄本の写しを取ってきてくれと言う指令ですね。
ちなみに不動産登記簿謄本も同じ流れです。住所の土地と建物の登記が個別にあるので、両方取っておくと良いでしょう。
まずこれを聞かれたら「必要なのは全部(履歴)事項ですか?現在事項ですか?」と、上司に聞きましょう。
現在事項 | 今(取得時)の登記内容の証明 |
---|---|
全部(履歴)事項 | その法人の設立時からの登記内容のすべての履歴(変更、削除した内容含む) |
もし「分からん」と上司が言えば、「じゃ、念のため全部事項を取ってきますね」と言っておけば安全です。では現金を持って法務局に向かいましょう。
法務局に行ったら、証明書発行請求機と言う機械(下図)があるので、この機械で発行の依頼をしましょう。会社名で全国から検索するのが多分一番簡単です。
割と同じ社名の会社はあるものなので、ちゃんと自社の住所を確認して請求しましょう。
請求すると引換券が出ます。一通600円(2016年現在)なので、窓口で呼ばれるまでの間に印紙販売コーナーで、必要な額の収入印紙を買いましょう。
ちなみに収入印紙は消費税非課税です。
領収書は当然経費になるのでちゃんと取っておきましょう。
あとは窓口で呼ばれたら印紙と引換券を渡してミッションコンプリートです。
Case2.「ちょっと印証取ってきて」
印証とは印鑑証明書のことです。Case1と流れは完全に一緒ですが、取得に際して2つ追加で用意しておくものがあります。
- 印鑑登録カード
- 印鑑提供者(通常は社長)の生年月日
の2点です。カードは会社で大事に保管されているはずなので、それを受け取っておいてください。
生年月日は聞くのを忘れていて、法務局で電話で聞いている人がたまにいます。事前に聞いて「わかってる」アピールしましょう。ちなみに生年月日は和暦で聞いておくとなお良いですよ。
Case3.「ちょっと登記してきて」
この辺から面倒になってきます。
法人登記変更の手続きをしてきて、ということですが、まず大前提として書類が完成しているなら郵送オッケーです。
一応電話で尋ねたほうが良いと思いますが、返信用封筒と登記変更書類、収入印紙を入れて送れば受付票が返ってきます。
収入印紙はコンビニでも郵便局でも買えますが、登記変更となると3万円~必要ですので、コンビニだと金額的に扱いがないかもしれません。
とはいえ、書類ができているなら作った人が普通郵送までやるので書類作りからやらされるでしょう。
よくある登記内容については、法務省がテンプレートを公開していますので、それをベースに作ればなんとかなります。
法務省:商業・法人登記申請
行政書士に頼むと数万円は持っていかれるので、私は頼んだことがありません。
作った書類は契印を押す必要があります。契印の押し方は下の動画を見てください。
で、大体初めてやる登記だとどこかしらミスっているので、法務局の「商業登記相談窓口」で、見てもらってから申請に出したほうが良いです。
この時は会社の代表印と、代理人印を持っていきましょう。軽微な修正ならその場で訂正印を押してやってしまえるからです。
そして相談窓口でオッケーが出たら、以下の2点を行ってから、登記申請窓口に書類を出しましょう。
- 登記書類に捨印を押しておく
- 申請前に謄本の写しを取っておきましょう
捨印は契約書にはご法度ですが、登記申請の際には押しておくと便利です。あとからミスが発覚した場合、法務局から訂正依頼の電話がかかってくるのですが、その際に捨印があれば担当官によりますが、登記官の職権で修正してくれることがあります(脱字などの軽微なものに限りますが)。
法務局と往復するのは結構面倒なので、一手間かけておきましょう。
謄本の写しもとっておきましょう。
変更登記の申請から完了までの間(混み方によりますが大体1~2週間)、謄本が取れなくなるので、急に必要になったときに備えて1通とっておくと安心です。
最後に、法人登記の場合ですが、役員の変更や事業目的の変更、商号(会社名)の変更等の場合は上記の流れでオッケーです。
ただし商号(会社名)の変更の場合多くは代表印の変更(改印)も行います。
このときは申請を行う人間(代理人なら代理人)の実印と、印鑑証明書が必要になります。注意してください。
また、改印の申請と商号変更登記は同時に行うことが出来ますが(登記変更後に改印も可能)、その際の登記変更書類は新しい印鑑で押印する必要があります。
パッとスタッフが頼まれる法人登記だとだいたいこんな所でしょう。
種類株式発行とか面倒な登記もやったことありますが、法務局の人が親切に教えてくれるので聞きに行けばなんとかなりますし、書類の雛形もくれます。
登記は簡単ですがやったことない人にはちょっとスゴいと思われたり、なんと言っても行政書士に頼む場合に比べれば簡単にコストカットになるので自分でやるのをおすすめします。
以上!!
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