エスペラント語とは、ポーランドのユダヤ人医師ザメンホフが作った人工言語で、人工言語としては世界で最も成功した(=話者が多い)と言われています。
国際的に中立的な言語を目指して作られましたが、実際には文法と語彙の多くは西洋諸語(印欧語)を下敷きにしています。
そのためアジア人としては中立とはいいがたいですが、エスペラントの文法自体はは規則的に整理されており、学習が簡単な言語とされています。
しかしなぜマイナー言語であるエスペラント語を学ぶのか。その理由は人によって違いますが、私は以下のメリットを見込んでかじろうと思いました。
- 習得が簡単な言語で言語学習の成功体験を得る
- 文法が簡単な言語をサブセット言語として獲得し、自然言語処理の対象にしたい
- 人工言語ってかっこいい
習得が簡単な言語で言語学習の成功体験を得る
人間の脳には転移という働きがあります。
転移とは「あることを学習すると、その後の類似した内容の学習を容易にすること」を言います。
例えば英語を学ぶと、言語的には英語に似ていない言葉でも学習が捗る(たとえばタイ語など)。などと聞いたことがある人もいるでしょう。
私は日本人なので当然英語は多少やってますけれども、なにせ中学の時からチマチマやってるので「短期的に一気に語学力を伸ばした」経験に乏しいです。
言語習得の成功者の事例を紐解くと、多くのケースでターゲット言語の学習に集中していた時期があります。
なので言語習得の成功体験を得るのであれば、学ぶのが簡単かつ新しい言語が良いと思ったのも選定の理由です。
言語処理の対象言語として
文法に例外がない言語は自然言語処理のターゲット言語としては非常に向いています。
文章に文法的ノイズが少ないのでアルゴリズムの純粋なテストに向いているのです。
そのため、自然言語処理のアルゴリズム試験用に簡単に読み書きをある程度抑えることも私の目標です。
ある程度とは英語でいうところの中学校のテキストをスラスラ読解でき、同程度の文をさして悩むことなく書き下せるレベルです。
エスペラント語はアスキーコード(いわゆる半角文字)に無い文字がいくつか含まれているのですが(ŝとか)、これはコンピュータ上でエスペラントを書くときには代替表現がありまして、sx,shもしくはs^と書きます(x,hはエスペラントにない文字)。
このブログでは見栄えがいいのでsxを採用します。
人工言語ってかっこいい
最大の理由はこれです。
ぶっちゃけカネになるわけでも女性にモテるわけでも、何か得になるわけでもないただの趣味としか言いようがないものをやる理由は「面白そう」以外にはないでしょう。
次回予告
では次回はエスペラント語を学ぶのに良い各種リソース(本とか)のピックアップと、エスペラント語の文字と発音を予定しています。
文字量によってはどっちかだけになるかも・・。
補足
エスペラント語には昔から興味はあったのですが、この度ついにちょっとやってみようと思ったのは以下の本で楽しそうに紹介されていたからです。
言語にまつわる面白い話が色々とエッセイ調で書かれているのですが、半分ぐらい漫画の本ですので本屋で見かけたら立ち読みしてみてください。
ついでにテキストとして調達したのはこれ↓。例文が多く、単語帳的なものとCDも付いてこのお値段だったので本屋さんに何冊かあった中から(意外!)決めました。
私は外国語をかじるときは基本的な文法の解説と簡単そうなダイアローグが充実しているテキストを最初の一冊として選ぶことにしています。何冊も使えないので。