こにちわ。
前回の【俺選】ものづくりな人間を作るオススメ絵本と児童文学はWebではいまいちだったんですが、リアルでチョコチョコ反応もらったので、予告通り、今度は「冒険野郎」になる絵本&児童文学でチョイスします。
ものづくりより冒険の方が、断然児童文学ネタとしては鉄板なので、メジャー作品が多くなっています。とは言え厳選していますよ。
サラダとまほうのおみせ
まずはこどものともから、「サラダとまほうのおみせ」です。
いもむしのイモックさんが「サラダとまほうのおみせ」というおいしいサラダのお店を村に開きます。魔法って何?という話なんですが、繁盛していたお店が、ある日閉店してしまいます。
村から遠くに新しい店を構えたというお知らせが届き、村のみんなはそのお店に一緒に遊びに行きます。
そこで魔法の内容が明らかになるのですが、この村のみんなで新しいイモックさんのお店に行くまでの道のりがとても好きです。
挿絵が美しいのもあるのですが、ちょっと不思議な風景が次々に現れて、それをみんなで力を合わせながらイモックさんのお店に行くのが、遠足のオリエンテーションみたいでとても楽しそうでした。
また、往路ではあまり力を出せなかった、ナメクジさんがいるんですけど、彼女は復路でとても頼りになるというオチも優しくて好きです。
めっきらもっきらどおんどん
これは多分わりとメジャーじゃないでしょうか。
「めっきらもっきらどおんどん」です。遊ぶ友達がいない、かんたが適当に思いついた言葉を叫ぶと、奇妙なお化けの三人組が現れて一緒にこの世界ではないような不思議な場所で遊びます。
そこはとても珍しいおもちゃやお菓子などの魅力的な小道具にあふれているのですが、最後にかんたはお母さんのことが恋しくなり、元の世界に帰ります。
ただ、おばけたちはその時にかんたを帰すまいとするのですが、そこは小さい子供にとってちょっと怖いシーンだったように思います。
それをおいても、自分もおばけたちと遊びたいと思わせる不思議な魅力にあふれるお話です。
また、同作者の「おっきょちゃんとかっぱ」も、このお話が好きな人にはお勧めです。
ところでこういう、この世界とは違う不思議な場所(人間でないものが住んでいたり、魔法の道具があったり、時間の流れ方が違ったり)、のことを、民俗学の、特に民話を扱う領域では、マヨヒガとか隠れ里とかいうらしいです。マヨヒガは遠野物語に収録されているお話の名前ですね。
例としては、浦島太郎の龍宮城、舌切雀の雀のお宿、おむすびころりんの鼠の巣穴、かぐや姫の月の国、など枚挙に暇がありません。
こんなふうに色んなお話の共通点をみつけてみるのも、絵本の隠れた楽しみ方じゃないかな、と思います。「三枚のお札」と、「古事記の常世の国」の話にも大いに共通点があったりなど、色々楽しめます。
じごくのそうべえ
これは超メジャーではないでしょうか。
冒険っていうか、主人公が開幕後速攻で死ぬという、幽●白書もかくやな展開を見せますが、本番は地獄に理不尽に落とされたそうべえとその仲間が地獄をコミカルにコケにするという楽しいお話になっています。
完全にギャグですね。保育園では爆笑して読んでいた記憶しかありません。
「ええやん、俺も地獄行きたい。」と思わせる一冊です。
ただし、続編にあたる「そうべえごくらくへゆく」も、話自体は面白いんですが、こっちはむしろ「極楽とかつまんねー。行きたくねー。」って思います。
これって子供の教育的にはどうなんでしょうねw
ちなみに、そのまんま「地獄」という絵本もあります。こっちはガチでトラウマ物の恐怖絵本です。どこぞのお寺に蔵されている、地獄絵巻にシナリオをつけて絵本風にまとめたものですが、その半端ない怖さはアマゾンレビューにも表れています。かく言う私も子供の頃にこれを読んで、3日ぐらいは寝付きが悪くなったような気がします。はい。
おしいれのぼうけん
この本は私にとって不思議な本です。
何回も子供の時に読んだり、読んでもらったりした記憶があるんですが、当時このストーリー自体についてどう感じたかを殆ど覚えていません。
たださくら保育園での怖いものの代名詞(劇中作の登場人物として登場します)、「ねずみばあさん」がとても怖いものに思えました。
ストーリー自体は、男の子二人が昼寝の時間に騒いだ罰として、みずの先生に押入れに閉じ込められると、押入れの中に高速道路などがある不思議な世界が広がっていて、そこで「ねずみばあさん」にネズミに姿を変えられそうになるのですが、間一髪助かり、保育園に帰ってきます。
最後には、二人が押入れの中の冒険譚を保育園のみんなに楽しそうに語ったので、ねずみばあさんと、みずの先生は怖いものではなくなったという説明がちゃんとあるんですが、どーにもギリギリ助かった感じが拭えなくて、そこはしっくりきませんでした。
ただ、何度も繰り返し読んでいたので、なにか思うところはあったように思います。
ロボットのくにSOS
ロボットのくにSOSです。
当時絵がとても綺麗で、まずそこに惹かれました。
ロボットのくにの発電機が壊れてしまったという知らせを、ゼンマイロボットから聞いたルネとフープ博士が、ロボットのくにへ発電機を直しに行くのが大筋になります。
もちろんストーリーはストーリーで面白いのですが、それよりも絵の綺麗さが子供の冒険心をかきたてます。
表紙にもある大きなキノコの森を始めとして、不思議で美しい光景を見たい、こんなところへ行ってみたい、と思わせるのに十分な一冊です。
あと、今知ったのですが、日本で始めてコンピュータ・グラフィックスを利用して作画された絵本だそうです。
また、このロボットと同じデザインのロボット「ランスロット」の登場する絵本はシリーズ化されていて、その中から、おすすめを一冊。
ぼくのロボット大旅行
ストーリー自体は自作ロボットに乗って、世界中を一周するというだけの話です。
ただ、そこには世界中の動物たちが緻密な絵で色鮮やかに描写され、一つ一つに名前がちゃんと書かれていて、知的好奇心を存分に刺激してくれます。
図鑑が好きな子供も多いと思いますが(というか例に漏れず私もそうでしたが)、今思うと図鑑好きになる最初の一歩のような役割をこの本が果たしていたようにも思います。
世界中にはいろんな生き物や植物がいるんだということを楽しげに教えてくれます。
あと、ドリアンが臭いけど美味しいという事も教えてくれます(この本でドリアンというものを知りました)。
また、同シリーズで、似たような構成の「ぼくのロボット恐竜探検」というものもあるのですが、こちらは恐竜好き、ないし恐竜好きになりそうな男の子に特にお勧めです。
とはいえ、程度の差こそあれ、男の子で恐竜に一回も惹かれた時期のない子供って居るんでしょうか? 私は知りません。
エルマーのぼうけん
これはもう鉄板中の鉄板でしょう。
読んだことがある人も多いと思います。三部作(他、エルマーとりゅう、エルマーと16ぴきのりゅうがあります)のうちの最初の一冊ですが、私はこの本が一番好きです。
竜が捕まっている島のことを猫からエルマーは聞き、猫から「友達の竜を助けてほしい」と頼まれ、引き受けます。
そして事前に島の情報を猫から聞き、自分のリュックサックに詰め込むのですが、私はこのシーンに憧れて、自分のリュックに家中から色々かき集めてきては詰め込んでいました。
この本を読んだことがある人は、以下のリストを見ただけでなつかしめるのではないでしょうか。
- チューインガム
- 桃色棒付きキャンデー 2ダース
- 輪ゴム 1箱
- 黒いゴム長靴
- 磁石
- 歯ブラシと歯磨き粉
- 虫眼鏡 6つ
- 先の尖ったよく切れるジャックナイフ
- くしとヘアブラシ
- 七色のリボン
- 『クランベリ行き』と書いた大きな空の麦袋
- きれいなきれ少し
- ピーナッツバターとゼリーを挟んだサンドイッチ 25個(食料)
- 林檎 6つ(食料)
これらのグッズを使いこなし、獰猛な動物たちの住む島をエルマーは踏破していきます。
その冴え渡る攻略方法については、書籍にて。
あやうしズッコケ探険隊
最後はズッコケシリーズ個人的ランキング、第二位の作品です。
無人島に漂着した三人組のサバイバル生活が始まります。
それぞれがテントを作ったり、漁をしたり、地図を作ったり、トイレを作ったり、夜空の星から緯度経度測ったり(天測)と、DASH村のような生活を初めます。
おとなになってもやりたい人、多そうですよね。私はやりたいです。
というか、この本を読んでキャンプ好きになりました。
そんな生活をしてみたい人は、是非本書を読んで疑似体験をしてみてください。
さて、前回にひき続いての俺選、絵本集はいかがでしたでしょうか。
実は冒険系で言うと、トムソーヤの冒険、ニルスのふしぎな旅、宝島、ロビンソン・クルーソー、ガリバー旅行記、指輪物語など全世界的メジャーもいろいろあるんですが、まぁそっちはほんとにメジャーなんである程度割愛しました。
絵本で言うと好きな絵本はいっぱいあるんですが、前回や今回のようにうまく分類できない本が多いのが困りものです。後仕事に関係がないのも困りものです。
ただ、名作とされる児童文学は何十年も読み継がれます。親子で共有できる感想もたくさんありそうでいいな、とか何とか思う私でした。
でわでわ。
【番外編】冒険図鑑
番外編です。
やはり冒険といえばサバイバル。
刃物の使い方、保存食の作り方、ロープワーク(ロープの結び方)、キャンプに持って行くべきもの、食べられる野草、魚の取り方、食べてはいけないきのこや植物、SOS信号の出し方や、応急処置を始めとしたトラブルに合った時の対処法などが子供(小学生中学年程度でしょうか)でもわかるようにイラスト混じりに説明されています。
上記のズッコケやロビンソン・クルーソーなどにはまれる人は、この本もきっとお気に入りになります。
そして今度のお休みにキャンプに行きたくなるはず!!
Photo by Axel Holen on Unsplash
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