某ビールメーカーの代名詞ともいえる『一番搾り』ですが、一番搾りって何かご存知ですか?
ビールは麦汁(ばくじゅう)という麦芽を糖化させた甘い麦茶のような液体を原料としますが、そこには麦の穀皮が混じっています。
穀皮を取り除くためには当然濾過が必要になってくるのですが、その濾過が『一番搾り』とは密接にかかわってくるのです。
麦汁の濾過には別に特殊なフィルターでも何でもない、数ミリ程度の隙間の入ったステンレス製のフィルターを使用しますが、このフィルターに麦汁をかけて、その自重のみで濾過が終わったものを『一番搾り』といいます。この麦汁で仕込まれたものが、皆さんお馴染みのアレです。
そしてこの一番搾りで残った穀皮を湯通しして得たものを二番絞りというのですが、一番搾り時点で穀皮には麦汁の当分の10%以上が残っているといわれ、以下のような特徴が言われています。
一番搾り | 上品でさっぱりとした味わい |
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二番絞り | 味の成分豊かなコク味のある味わい |
この特徴には意外な方もいるのではないでしょうか。ちなみに、二番絞りには元の麦汁の10%以上の糖分が残存しているといわれ、某社の某製品は10%以上の糖分をこだわりのもとにを捨てていることになります。
まぁ、捨てているとはいえども、実際にはその廃棄物は牛馬の飼料となりますので(牛にビールの搾りかすを与えると柔らかくおいしくなるという話があります)、そういう意味ではエコかも知れませんね。
さて、最後になぜ「一番理彫り」と自由研究が関係するのかですが、ビールは麦芽が十分に糖化したかどうかを図るため、一部の液体を採り、沃素液(ヨウ素液)を投下します。
この糖化度合いを判定するための沃素液はみなさんご存じ、デンプンに反応して青紫色に変色する液体ですが、とても懐かしい響きではないでしょうか。
沃素ならともかく、沃素液とか中学校を卒業してからこっち、とんと聞いた覚えがなかったです。ハイ。