著作権法で二次創作は合法。

TPPの導入に伴う、著作権法違反の非親告罪化など、にわかに二次創作に支えられる同人界も法律の風にさらされているように思います。
まぁTPPのことはあまり詳しくないのですが、いろいろ考えているうちに、「現行の著作権法では二次創作(同人)って合法なんじゃないか?」と思ったので、その理由を書いておきます。
「親告罪だから言われない限りはOK(それはそもそも論としてはOKではない)」ではなく、「そもそも論としてOK」という主張です。
多分これぐらいの考察はいろんな人がしてるでしょうが、それはそれで。

前提

一般的に、「著作権や版権は作者や出版社が持っていて、二次創作系の同人はそれらの権利者の黙認によって成立している」と考えられています。
これは裏を返せば、二次創作活動自体は権利者の権利を侵害している(=非合法)だということです。
また、一部コンテンツホルダーが「二次創作を認めます」とガイドラインに明記していることも有りますが、これもこの暗黙の前提と同じ立場だといえるでしょう。

仮説

文化庁の見解では、「キャラクター」や「世界観」には著作権がない。なのでキャラクターや世界観を借用した二次創作を咎める根拠はないのではないか。

仮説の説明

二次創作を縛る根拠として、著作権の一部である、翻案権などが登場することがありますが、二次創作は通常の場合において翻案とはいえません。
翻案とは例えば翻訳や、小説のドラマ化など、その本質を保った上で表現形式を変えることで、設定を一部借用した上で別のストーリーを展開したとしても、翻案とはいえないでしょう。
この点についてポパイ裁判などが翻案として例に上がることも有りますが、このケースにおいても問題となっているのは個別の図案のコピーであって、例えば私が適当に描き起こした初音ミクの絵があったとして、そういうケースとは別の話です。

もちろん原作の図案を用いたコラージュなどは、原作となる著作物を使用するわけですから、バッチリ著作権法違反になります。
音楽の場合で言えばサンプリング等がどのあたりまで認められるかは不明ですが、まぁ程度によってはアウトになるのは同じ理由で明白。

ただ、キャラの造詣を含めた設定を借用し、一から描き起こした同人漫画があったとして、このケースについては、やはり合法なのではないかという判断に落ち着きます。

その他のリスク

では既存の著作物を借用しなければ、本当に好き勝手に二次創作をしてもいいのかといえば、それはそれで著作権以外に問題があります。
まず第一に、ケースによっては商標権などその他の権利を侵害しているケースがあります。
第二に、コンテンツホルダーはそのライセンスの管理と販売を生業としているわけなので、当然それなりの法務部などの部隊を抱え込んでいるでしょう。であれば、法的に二次創作が仮に適法だったとしても、睨まれた場合に係争することは資本等の体力の格差から言っても難しいです。

今はこんなことはほぼ無いと思いますが、もし今後このような形になってしまえば、これは特許権を盾にして、裁判を脅しに示談金や特許使用料を掠め取る、パテントトロールと同じ様相を呈するでしょう。

また、個人による二次創作などというものはその前提からして、原作が好きだからやるのであって、著作者と裁判してまでやるほどのこと(やるべきこと)ではない、と二次創作者自身も思っていると思います。

じゃあ安心して二次創作に励んで大丈夫か?

その他のリスクにあるポイントに気をつければ大丈夫でしょう。
ただし、根本的なリスクが一つだけ残っています。

「キャラクターは著作物ではない」と言うのは文化庁の見解ですが、実際の最終判断を下すのは裁判所(司法)であって、省庁(行政)ではありません。
幸いなことにこれまでの判例では、文化庁の見解を裏付けるような判例が出ていますので、裁判所が判断を覆すリスクは低いです(判例主義)。

ただ、裁判所と裁判というものは、一般の人が思う以上に市民感覚というか、常識や商慣習を重視します。
二次創作を制限すべきという感覚が普通であれば、法が変わらずとも裁判の場で、法の解釈が変わることはありえます。滅多なことではないと思いますが。

最後に

だらだらとまとまりなく書いてしまいましたが、現行法では、普通に描いたファンブックなどは、権利者の意向に関係なく、適法(合法)と思います。

ただその現状が正しいかどうかは判断が人によって揺れるところだと思うので、ちょっと難しいですね。

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